スイッチング電源とは、電力を変換することが可能なスイッチング素子を用いた電源装置ですが、どのような働きがあるか疑問を持つのではないでしょうか。
交流電源を直流電源に変換する働きがありますが、電化製品は一般的に交流100ボルトのコンセントから電源をとり動きます。
部品は主に直流電源で動くため、交流100ボルトの電力をそのまま使用することができません。
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交流を入力すると整流ブリッジで交流から直流に変換される
スイッチング電源は、交流電力を直流へ変換するために使用されていますが、動作原理について興味を持つのではないでしょうか。
動作原理に関しては、交流を入力すると整流ブリッジで交流から直流に変換されます。
一次側の電解コンデンサで平滑化も行われますが、スイッチング素子が電気のオンとオフを繰り返すことで、高周波の交流になります。
高周波トランスを介して二次側に伝達されますが、ダイオードによって交流を直流に変え、電解コンデンサによって平滑化した直流が出力されます。
制御回路によって出力を入力側に戻すフィードバック制御を行い、スイッチングの調整を行うことで、出力電圧が一定に保つことができるよう設定されました。
回路方式の種類
回路方式はフォワード方式やフライバック方式、プッシュプル方式やフルブリッジ方式、ハーフブリッジ方式等が存在しますが、どのような特徴があるのか興味を持つのではないでしょうか。
フォワード方式はシンプルな構成の方式で、小容量から大容量の出力で使用可能となり、フライバック方式は部品点数が少ないという利点がありますが、小容量の出力で使用される方式で大容量の出力には向きません。
プッシュプル方式は、スイッチ素子を2個使用する必要があり、交互にオンすることで大容量の出力で使用することが可能です。
トランスの偏磁に注意する必要がありますが、フルブリッジ方式に関しては、大容量の出力で使用されます。
スイッチ素子を4個使用する必要があり高い電力変換効率を得られますが、スイッチ素子が4個ということで制御が複雑となるため、注意しなければなりません。
ハーフブリッジ方式は、耐圧の低いトランジスタを使用することができますが、コンデンサーに流れるスイッチング電流によって熱が発生する可能性があるため、チェックする必要があるといえるでしょう。
スイッチング電源の分類について
スイッチング電源の分類については様々な分類が存在しますが、主に3つの分類に分かれます。
入力電圧による分類や形状による分類、定電圧電源と定電流電源となり、入力電圧に関しては入力が交流入力か直流入力かで分けることができますが、交流の入力電圧はAC100VやAC200Vとなります。
事務所や工場などで用いられる電気である三相200Vや、大型プレス機等で使用する大電力用の三相AC400Vも設定されました。
スイッチング電源の形状について
形状についてはユニット型や基板型、オンボードやDINレール型となりますが、他にもパワーモジュールやマルチスロットが存在します。
ユニット型
ユニット型はカバー付きの箱型とシャーシの形となりますが、カバーがないタイプも使用することができます。
カバーなしを使用すると、電源の寿命や放熱しやすくなるため負荷率が伸びるメリットがありますが、具体的には同じ環境で使用した場合、電解コンデンサの温度が約10度下がるため、寿命が延びるといえるでしょう。
置き方に関しては、シャーシを天面にして置かないように注意しなくてはいけません。
電源内部に熱がこもるため、ICの温度やトランス、電解コンデンサ温度が上昇してしまい、トラブルが発生する可能性があります。
基板型
基板型についてはシャーシカバーが不要で、ユニット型よりもリーズナブルなお値段で購入することができます。
薄いという特徴があり、装置内で他の制御基板等と並べて使用されることが使われることが多いですが、オンボードは直接基板に搭載しなければなりません。
ピンが1列に並んでいるタイプと2列に並んでいるタイプが存在し、1列はシングルインラインパッケージ、2列はダブルインラインパッケージとなります。
DINレール型
DINレール型は、DINレールにワンタッチで取り付けられるよう製造されており、中に浮いた状態になるため、重いものを取り付けることはできません。
入力電圧は一般的にAC100VやAC200V、三相200Vとなりますが、3相400Vも存在します。
パワーモジュール
パワーモジュールに関しては、単体で使用することができないため、周辺の回路設計を行わなくてはなりません。
容量は700Wまで存在しますが、オプション等も利用することができます。
マルチスロット
マルチスロットは、特注電源を標準電源で使用できるように製造され、希望する電圧電流の出力モジュールを入れて使用します。
特注電源を開発するために必要な費用が発生しないため、画期的な製品であるといえるでしょう。
スロットに入れるモジュールは単出力や2出力等様々な出力電圧を利用することができ、モジュール同士の並列接続や直列接続を行うことができます。
まとめ
スイッチング電源の部品には寿命がありますが、交換することで寿命が延びるため、適切な時期に交換すると長く使用することができるのではないでしょうか。
最終更新日 2025年6月25日 by weetso