何年も前の恥ずかしい話になってしまうのですが、当時の私はハードワークのせいで心も体も限界の状態で働いていて、ドクターストップがかからなかったら間違いなく倒れていたくらいには追い詰められていました。
上司からパワハラを受けていたわけではなく、初めて責任が重たい仕事を任されたため自分で自分を追い込みすぎたこと、気負いすぎてしまったことがストレスの原因です。
家に帰っても仕事が心配で家事に手が付かない、食事が喉を通らない、夜にしっかりと眠れないなどの症状で、本当に苦しんでいました。
そんな私を救ってくれたのが、会社と契約をしている産業医の先生です。
精神的に参っていた私の症状を観て、すぐに休ませるようにと強く会社に進言してくださいました。
いくつかの病院への紹介状も書いていただけましたし、今の私にどれだけ休養が必要なのかを、何があってもこの仕事が終わるまで働かないといけないと思い込んでいる私に説得するような形で根気よく、親身になって伝えたりもしてもらえました。
振り返ってみると恐ろしくなりますが、もしもあのまま無理をして働き続けていたら、私は過労によってもっとひどい状態になっていたかもしれません。
その前の段階で、軽度のうつ病くらいの段階で私を休ませてくれた先生には今でも感謝しています。

参考>>産業医 紹介

産業医とはどんな人達なのか

私がお世話になった先生も該当するのですが、産業医とは労働者を専門的に観てくれるお医者さんの事であり、労働者の健康管理にプラスになるようなことを指導したり助言しているような人のことです。
普通の病気や怪我だけでなくメンタルヘルスの分野に精通している人が多く、私のように仕事が原因で精神を病んでしまった方に、早期のフォローを行っています。
重たいうつ病になる前に、休ませた方が良いと会社にアドバイスをしてくれるようなお医者さんだということです。
私も苦しかった時期にストレスチェックに引っかかり面談をした経験があります。
とても優しく接してくださり、面談で話したことは必ず秘密にすると約束した上で、私の話を遮らずに聞くように努めてくださったのが印象に残っています。
私の意見や仕事に対する意欲を把握しようと努力する姿勢が見られたからです。
そして私の話を十分にかみ砕いた後で、今は休むことが大切だと時間をかけながら教えてくださいました。
その時にようやく、お医者さんがこれだけ強く言っているのだから本当に私は休んでもいいのではないかと思えて、いい歳の大人が情けなくも大泣きしてしまいました。
ストレスチェックの段階でだいぶ私は悪かったようなのですが、自覚がなかったため泣き出した自分を客観的に見て、やっと休む決意をしたような感じです。
先生の進言がなかったら、自分を追い込みながらずっと働き続けていたことが予想されます。
ただし診断も治療もその先生以外の方にお願いする必要はありました。
この労働者には治療や入院が必要だと判断した場合に、医療機関を紹介する立場にいるのが産業医だからです。
とはいえ病院や医療の知識がなくても、労働者の症状に合った紹介先をきちんと教えてもらえますので安心です。

復職までのサポートも行っています

私は一度家から一番通いやすいからという理由で、近場のクリニックで治療を受けるつもりでした。
しかしそのクリニックのお医者さんとは相性が悪かったようで、結局は家から離れた別の大学病院の精神科の先生を主治医とすることにしました。
その主治医になってくださった先生は私が復職するまで診断や薬の処方、メンタルケアを請け負うと約束した上で、仕事に復帰するまでの私をずっと支えてくれました。
そしてある程度自身の健康状態に自信を持てるようになった頃、再度会社と契約しているほうの主治医ではないお医者さんに復職が可能化の相談に行きました。
産業医の仕事には健康面で不安がある労働者を休ませることだけでなく、休業している労働者の復職に関するサポートも含まれているからです。
復職までに主治医の先生との情報交換がかなり重要なのは間違いなく、私の場合は一週間か二週間に一回のペースで通院をしていました。
復帰の時期を私の自己判断でも会社の要請でもなく、何人ものお医者さんの判断で決めるというのはメンタルを患っている身としては非常に心強かったです。
自分の考えも会社の命令も、その当時はかなり怖かったからです。

ストレス社会だからこそ重要なお医者さんです

まだ気分の落ち込みが突発的に発生することがあるため完全に完治したとは言い難いものの、とりあえず私は現在復職が叶っています。
普通に働けるようになったのも、会社が契約しているお医者さんとの面接指導がきっかけでしたから、ストレス社会の今産業医の仕事はどれだけ重要なのかを私は身をもって知りました。
長時間労働や仕事が原因のストレスに苛まれているような労働者は、ストレスチェックに引っかかったら面談の申し込みが確実に可能になりますので、せっかく会社が用意してくれているお医者さんを、上手に頼りにすべきだと色々な経験した身としては言っておきたいです。

最終更新日 2025年6月25日 by weetso