「環さん、こんにちは。いつもブログを楽しく拝見しています。
先日、勇気を出してお気に入りのディスペンサーをお迎えしました。
キッチンに立つたびに嬉しくなるのですが、最近、ポンプの付け根の隙間に、黒い点々を見つけてしまって…。
これって、もしかしてカビでしょうか?見なかったことにしたい気持ちでいっぱいです。」
(ラジオネーム:こむぎさん)

こむぎさん、素敵なお便りをありがとうございます。
そして、お気に入りのディスペンサーとの出会い、おめでとうございます。

ポンプの隙間の黒い点、見つけてしまったときの「あ…」という気持ち、本当によく分かります。
つい、見て見ぬふりをしたくなりますよね。

でも、大丈夫。
そのお悩みは、ほんの少しの知識と一手間で、すっきりと解消できます。
今回は、大切な「相棒」と長く付き合うための、プロの洗い方とカビ・ぬめり対策をご紹介しますね。

その黒い点、ぬめりの正体は「菌たちのおうち」です

まず、あのぬるっとした感触や黒い点の正体について、少しだけお話しさせてください。

あれは、水分や洗剤の残りカスを栄養にして集まってきた、目に見えない小さな菌たちが建てた「おうち」のようなものなんです。
専門的には「バイオフィルム」と呼ばれています。

キッチンやお風呂場のように、暖かくて湿気のある場所は、菌たちにとって最高の住処。
だから、放っておくと、いつの間にかおうちがどんどん大きくなってしまうのです。

でも、原因が分かれば対策はとてもシンプル。
定期的に「お掃除」をして、菌たちが住みにくい環境を保ってあげれば良いだけなんですよ。

【プロの洗い方】月一度の「リセット洗い」で、愛着を育む

私は、月に一度のお手入れを「リセット洗い」と呼んでいます。
モノの汚れを落とすだけでなく、自分の心もすっきりリセットするような、大切な時間です。

ここでは、私がお店でも実践している、具体的な手順をご紹介しますね。

ステップ1:分解して、素材に合った方法でつけ置き

まずは、ディスペンサーを分解できるところまで、優しく分解してあげましょう。
ポンプヘッド、ストロー、ボトル本体。
パッキンなど、外せるパーツはすべて外します。

【用意するもの】

  • 洗面器や桶
  • 重曹(または食器用中性洗剤)
  • 古歯ブラシ
  • ストロー用ブラシや歯間ブラシ

基本的な汚れは、40℃くらいのぬるま湯に重曹を溶かし、30分〜1時間ほどつけ置きするだけで、驚くほどゆるんできます。

ただし、ここで一つだけ大切な注意点があります。
それは、素材に合わない洗浄剤を使わないこと
特に、強力な塩素系漂白剤は、ステンレスなどの金属パーツを錆びさせてしまうことがあるので注意が必要です。

洗浄剤おすすめの素材注意が必要な素材
重曹プラスチック、陶器、ガラスなど全般アルミ(黒ずむ可能性あり)
塩素系漂白剤プラスチック、陶器、ガラスステンレスなどの金属(錆びの原因)

ステップ2:小さな相棒(ブラシ)で、優しく磨く

つけ置きで汚れが浮き上がってきたら、古歯ブラシなどで優しくこすり洗いをします。

ポンプのノズルの先端や、ストローの内部など、細くて洗いにくい場所には、100円ショップなどでも手に入るストロー用の細いブラシが、まさに「小さな相棒」として大活躍してくれますよ。

キュッキュッと音がするのを感じながら、隅々まで磨いてあげてください。

ステップ3:菌を招かないための「完全乾燥」

さあ、ここが最も大切なポイントです。
それは、洗った後に「完全に乾かす」こと。

少しでも水分が残っていると、そこからまた菌たちが新しいおうちを建て始めてしまいます。
洗った後は、清潔な布巾で水気をしっかりと拭き取り、風通しの良い場所で、パーツをばらしたまま半日〜1日ほど置いておきましょう。

急いでいるときは、ドライヤーの冷風を当てるのもおすすめです。
「もう大丈夫かな?」と思ってから、もう一息。
この一手間が、次のぬめりを防ぐ最大の秘訣です。

詰め替えが楽しくなる、ぬめりを寄せ付けない3つの作法

最後に、日々の暮らしの中でぬめりを寄せ付けないための、簡単な「作法」を3つお伝えします。

  1. 詰め替えは「使い切ってから」が鉄則
    洗剤が少し残っている上から継ぎ足すのは、実はNG。
    ボトルの中に残った水分や古い洗剤が、菌の温床になってしまいます。
    必ず中身を空にしてから、次のステップに進みましょう。
  2. 洗浄と乾燥はセットで考える
    詰め替えは、「ボトルを洗って、しっかり乾かすまで」が一連の流れ。
    この習慣がつけば、ぬめりやカビはほとんど発生しなくなります。
  3. 仕上げの「アルコール消毒」という一手間
    完全に乾いた後、詰め替えの直前に、キッチン用のアルコールスプレーをシュッと一吹きしておくと、さらに効果的です。
    菌たちにとって、とても住みにくい環境になりますよ。

お手入れは、面倒な作業ではありません。
大切な相棒と向き合い、感謝を伝える「対話の時間」です。

こむぎさんも、ぜひ月に一度の「リセット洗い」で、ディスペンサーとの絆を深めてあげてくださいね。
そのひと手間が、きっと毎日の暮らしを、より一層輝かせてくれるはずです。

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最終更新日 2025年9月14日 by weetso